2018年1月29日月曜日

第178回 音を楽しむ会


1月の音を楽しむ会は先月に引き続き中橋健太郎左衛門さん率いる大黒屋歌劇団第5回公演 ヴェルディ作曲「椿姫」が行われました。

演奏会の最初に中橋健太郎左衛門さんは「演奏会5日前に出演予定だった方がインフルエンザにかかり急遽演目を変えるトラブルがありましたが、歌い手さんは快く演目変更に対応してくれました。一生懸命練習してきましたので皆様ぜひお楽しみください。」と季節柄の裏話を交えつつご挨拶されました。


ヴィオレッタ…パリ社交界の名花(肺病を患っている)
アルフレード…ヴィオレッタの恋人の貴族
ジェルモン …アルフレードの父

第1幕
19世紀パリ社交界の名花ヴィオレッタは華やかで一時的な現世の泡沫(うたかた)に生きる毎日。しかし誠実な若者アルフレードに出会い「不思議だわ」と真実の愛に気付く。「花から花へ」と快楽の礼賛と真実の愛に揺れる女心を歌う。

この演目は悲劇ですがそれとは裏腹に明るく絢爛なメロディーがとても印象的です。

伸びやかな歌声で恋する女心を表現するヴィオレッタ役ソプラノ福士紗希さん。

迫真の歌声でアルフレードを演じたテノール佐々木洋平さん、「BRAVO!」と歓声が上がり会場を湧かせました。


第2幕
パリ郊外で一緒に暮らす二人。アルフレードの留守中に父ジェルモンが現れ、身分の違いや倫理観を盾にヴィオレッタに別れを迫る。アルフレードの将来を気遣い自ら身を引く決心をするヴィオレッタ。心ならずも別れをアルフレードに告げる場面では有名な旋律が聞かれる。

ジェルモン役バリトン高田智士さんの重厚な歌声が静かに響き渡り物語の転機を告げます。


第3幕
アルフレードの元を去ったヴィオレッタは肺病の為うらぶれた一室で死に瀕している。父ジェルモンからの手紙には和解の内容が記されているが「遅いのよ!」と心情をセリフで吐露し、アリア「過ぎ去った日々」を歌う。アルフレードがヴィオレッタの元に駆け戻って来ると一時的に元気になり「教会に行き結婚しましょう」と瀕死の錯乱の場面。最期にアルフレードの父ジェルモンもヴィオレッタを「我が娘」と呼ぶ為に駆けつけるが時すでに遅し。皆に見守られヴィオレッタは静かに息を引き取る。

物語終盤で3人の迫力ある掛け合いが会場を大いに盛り上げ、「BRAVO!」の拍手喝采で演奏会は幕を閉じました。

年末年始オペラ2回連続公演、時期的なアクシデントもありましたが無事終演いたしました。寒い日が続きますが皆様体調には十分気をつけてお過ごしください。





次回の音を楽しむ会は2月26日(月)チェロ 黒川正三さんです。どうぞお楽しみに!

2018年1月24日水曜日

板室雪景 20選

稀に見る寒気、雪でさまざま苦労をなさっている皆様にお見舞い申し上げます。

板室では、毎年降る雪は冬の風物詩。
自然の美を表す中国の詩人白居易由来の言葉に「雪月花」がありますが、
山あいに降りつもる雪は大黒屋だからみられる美しさの1つです。

朝起きて客室から、お散歩してふと見つける景色から、美しい雪の模様をおすそ分けします。







「冬はつとめて」とは言いますが、朝起きて針葉樹の葉の上、広葉樹の枝の上に積もった雪が景色全体を白く変えているのをみた時の驚きは格別です。





全客室からも雪景色を楽しめます。山の雪を見るなら竹の館、雪の中を滔々と流れる川の流れのコントラストを楽しむなら梅の館。





庭の片隅ではいつもの風景がちょっと可愛らしく変身しています。





草花の上にも等しく雪が積もっていきます。冷たいはずの雪がなんだか温かそうに見えるときも。





松、竹につもる様は日本画のようです。





作品の上にも雪が。雪の中での「みんなそろってピーヒャラドン」は目にも鮮やかなコントラスト。





野鳥の森方面に足を伸ばせば、針葉樹の森に積もった雪景色が、まるで違う国にいるように感じることもあります。



冬はもっとも野鳥の集まる時期。運が良ければヤマドリや栗鼠にも出会えます。



お風呂はもちろん雪見風呂。ゆっくり温まってください。


雪景色を楽しんだあとは炉の火で暖をとって、暖かいお茶などどうでしょう。
寒い冬でも温泉の恵みは変わることがありません。温泉を使った床暖房がお部屋もあたためてくれます。

2018年1月18日木曜日

佐藤順子 アートを語る会

現在サロン展示中の佐藤順子さんによるアートを語る会が行われました。
高校生のときから染織に興味を抱き、20代のときに旅先で出会った天然染料に感動したことが今の仕事に結びついています。
あかまんま、たんぽぽ、よもぎなど…優しい色にも関わらず力強さを感じたとのこと。


天然染料でウールを染める中で近年は色々な変化があったそうです。
まずは『染める』色ではなく『染まる』色。
以前は思い描いた色にこだわって染めていましたが、1つの染色に3日かかるという工程で原料となる植物の育つ場所、土壌、色素の量、煮出す水、薪で火を焚く火力等により色は変わってきます。
糸に宿った自然の色を大切に、デザインを考えていきます。


また、以前は1つの植物からできる色を単独で使い作品を作っていた佐藤さん。
今回の展示では2種類の色の糸を使ったものもあります。
より複雑な色味を楽しむことができ、そこには染めるだけではなく織ることで出来る新たな色との接し方が生まれました。


自由な染めの仕事に対して制約が多い機織り。
この正反対の作業が佐藤さんにとって良いバランスとなっています。


色を与えてくれる自然に対する感謝、糸と色との思いがけない出会いから、◯△□ を表現しました。

◯  畏敬
△  邂逅
□  色彩



佐藤順子さんの展示は1月30日(火)までです。
どうぞお運びくださいませ。

2018年1月6日土曜日

1月佐藤順子展

本日より大黒屋サロンにて佐藤順子展が始まりました。



佐藤順子さんは那須在住。自然に囲まれたアトリエで手染め、手織りの作品を制作しています。



1本1本の糸を時間をかけてつむぎ、手織り機で丁寧に織り上げたマフラーやショールは角度によって色の見え方が違い、触るとしなやかな温もりがあります。



染めに使われるのはほとんどが那須でとった木や草花です。山桜、あかまんま、だけかんば、ハルジオン、あざみ…。同じ植物でも条件がことなれば微妙に違う色合いになり、佐藤さん自身も思いがけないような出会いがあるとのこと。



上からまつよいぐさ、あかそとうわずみざくら、ふき、栗と萩。茶色の色彩のヴァリエーションだけでも豊かな表情を見せてくれます。



今回は初めて手織りだけでなく手編みの帽子やベストなどを出品。冬にぴったりの暖かで心が晴れやかになるような色彩をまとう楽しみをぜひ体感してください。

アーティストトークは1月18日(木)20:00から。
織りや染めの制作方法をお聞きするチャンスです。





2018年1月1日月曜日

新年あけましておめでとうございます 大黒屋のお正月

新年あけましておめでとうございます。
昨年は大黒屋にお越しいただきありがとうございました。
今年も皆様にとって幸多き年になりますように、お越しをお待ちしております。

今年のお正月は朝日に照らされた美しい雪景色で迎えることができました。
ゆったりとお過ごしいただきながら、ご朝食にはおせち料理をお持ちしております。


伊勢海老の雲丹焼きや鮑肝煮、栗きんとんなどをお詰めしたお重と、お屠蘇、大黒屋でついたお餅のはいったお雑煮を一緒に。


根付きの松とお飾りでお迎えしております。今年は氷柱も見事にそだち、お散歩していてもたくさんの発見があります。


スタッフは和装でご挨拶を。



大黒屋のお正月飾りは毎年竹を組み、干し柿を吊るした形です。
こま、羽根つきなど昔ながらの遊びとともに。



今年の干支の犬もごあいさつ。

大黒屋facebookでも写真を多く掲載しています。ぜひご覧くださいませ。
大黒屋公式facebook