2018年4月21日土曜日

板室さくら便り 世の中にたえて桜のなかりせば


世の中に たえて桜の なかりせば 春のこころは のどけからまし

もし世の中に桜というものがなかったら、心をざわつかせることもなく春をおだやかに過ごすことができるだろうに…とは平安時代の文学伊勢物語に登場する和歌。

今も昔も、変わらず桜は私たちにとって特別な景色。
板室でも4月中旬から5月上旬にかけて次々と移り変わる桜のさまざまな美しさをご覧いただくことができ、今年も私たちの目を楽しませてくれました。



染井吉野の見頃は例年4月下旬ごろ。板室温泉街の並木はもちろん、河原の並木、大黒屋敷地内などいたるところで満開になります。



芽吹きはじめる木や草花ごしに松の館客室から。夜にはライトアップされます。



桜が満開の頃の河原にはベンチが設置されます。ゆっくり座って見上げながらの花見などいかがでしょうか。



染井吉野が満開の頃の夜、好天の日を選んで夜桜の会が行われます。



ゆらめく松明の火で眺める桜はどこか妖艶な、普段とどこか異なるものに見えるのが不思議です。



枝垂れ桜の咲き始める例年4月下旬ごろには大黒屋の中心を流れる那珂川に鯉のぼりが100匹ほどかかります。



梅の館、そして河原をお散歩中に桜と鯉のぼりの目にも鮮やかな共演を楽しめます。



河原には色の濃い別種の桜も。染井吉野が散り始めた頃に見頃になります。


例年4月末ごろ、枝垂れ桜が満開を迎えます。梅の館の正面の枝垂れ桜は客室から見ると桜のシャワーのよう。染井吉野が終わってもお花見は続きます。


そして最後は八重桜。5月上旬ごろに木庭風の耕路や梅の館の裏庭で見ることができます。木ごとに色の違いがあり、1つ1つ見て回るのも楽しいですね。

今年は春の始めにあたたかく、すべての桜が2週間早く咲きました。例年の暦から少しずつ時期がずれることもあり、大黒屋Facebookにて桜の開花情報をアップしていますので、ぜひご参考に、来年もお楽しみに…

散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき

桜は散るからすばらしい、この世には永遠のものなどないのだから…とははじめの伊勢物語中の和歌の返歌。もし急ぎ足で散ってしまっていたら、ごめんなさい。

2018年4月1日日曜日

4月杉山洋二展

本日から大黒屋サロンにて杉山洋二展がはじまりました。



杉山さんは笠間にアトリエを構え、セミクリスタルガラスの作品を宙吹きで制作しています。大黒屋での個展は3回目、水琴亭の甘味などで作品をご覧いただいてきました。


杉山さんの作品はもともとガラスが溶かした柔らかい状態だったことを思い起こさせる水のような透明感や水飴のような柔らかい造形が特徴です。光に透かすと1つ1つ手によって作られる豊かな情景が見えます。



グラス、ボウル、ワイングラス、徳利、プレート、花器など。大小200点ほどが出品されています。グラスを合わせると軽やかな音がするのも格別です。


セミクリスタルガラスの特徴でもある多彩な加飾。捻りや玉つけなどに加え、春や夏を感じさせるような爽やかな色ガラスの作品も出品されています。


大黒屋はじめての出品はあかりの作品。ランプや天井照明のランプシェードなどもご覧いただけます。




杉山洋二さんの在廊日は毎週土、日。自然の彩も鮮やかになります4月、爽やかな透明な光を感じに、ぜひお運びくださいませ。
Facebookではより多くの写真を公開中です。ぜひご覧くださいませ。
大黒屋公式Facebook



2018年3月27日火曜日

第180回 音を楽しむ会


3月の音を楽しむ会は藤舎呂英さんと藤舎呂近さん、吉澤延隆さん、花柳美輝風さんによる演奏会が行われました。大黒屋初お披露目の演目も披露してくださいました。

藤舎呂英さんは「一流のプレーヤーが揃いましたので質のいいものをお客様へお伝えしたいと思います。また新しい邦楽の要素を表現できれば」と話してくださいました。伝統と革新を常に表現しようとする藤舎さんの真摯な姿勢が現れた言葉でした。


1曲目「さくら変奏曲」、花柳美輝風さんが吉澤延隆さんの箏の軽やかな音色に合わせて艶やかに舞います。



2曲目「雨」は栃木県出身の筝曲家が作曲した曲です。宇都宮出身の吉澤さんが栃木県に縁のある曲をと独奏で披露しました。藤舎さん曰く「雨」の中に「風」を感じる1曲。


3曲目「鳥のように」。流麗な箏の演奏と藤舎さんの力強い鼓の音が融合した1曲です。吉澤さん曰く湖面で休んでいる白鳥が一気に飛び立つ映像や猛禽類の鷹や鷲が空に円を描いて飛んでいるイメージが浮かぶ曲だそうです。

藤舎呂英さんのご子息呂近さんが大鼓として加わります。


4曲目「花」は本来箏の独奏曲ですが箏と鼓と舞踊を織り交ぜた大黒屋特別版での演奏です。鼓のチリカラ拍子に箏の音が鳴り響く中、花柳さんが一瞬一瞬名画のように輝く舞踊で会場を魅了しました。

大黒屋でしか見ることのできない邦楽の魅力を存分に堪能することができた演奏会でした。





次回の音を楽しむ会は4月26日(木) フルート森川道代さんです。
どうぞお楽しみに!

2018年3月25日日曜日

芽吹きの初春 お散歩はいかがですか

日差しが暖かさをまし、清らかな風の中に初春の喜びが感じられるこの季節。
山里でしか味わうことのない山野草の芽吹きをたずねてお散歩にでかけませんか?
大黒屋周辺のおすすめのお散歩コースを見所とともに紹介しております。




「山谷の花々と緑の散歩コース」では1時間弱のコースでこの時期山野草の見所が
たっぷり。出発直後の玄関先では、カタクリがかわいらしい芽を出し始めました。
開花は4月の1週目くらいです。



大黒橋の下、湯川のほとりではつい先日から水芭蕉が咲き始めました。
板室の初春を本格的に感じさせてくれる白い大きな花が群生している様子が伺えます。



菅木志雄の作品「放光」の梅の蕾もかなり膨らんで来ました。
梅の香ただよう赤い花が咲くのは4月上旬ごろ、想像するとワクワクしますね。



那珂川の河原に降りればふきのとう、オオイヌノフグリの黄色と青の花が春一番の
賑わいを見せています。





河畔の桜並木はまだ春の準備中です。4月の下旬の開花まで、少しずつ蕾が大きく
なっていくでしょう。



もうすぐ4月、二十四節気では「清明」の暦になります。
「清明」とは「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」とされ、
「清浄明潔」の略とも言われます。まさに清浄な空気の中、すべての清明の生き生きとした息吹が感じられます。ぜひ、お出かけくださいませ。

2018年3月19日月曜日

第13回大黒屋現代アート公募展 授賞式

昨日、現在開催されております第13回大黒屋現代アート公募展の授賞式が行われました。

入選者の方、また歴代大賞受賞者の方や作家の方々、ご家族のみなさま、記者のかたなど
多数の方にご列席をいただきました。


第13回大賞受賞者は矢野洋輔さん。本公募展の大賞受賞作品「花の椅子」のコンセプトと、大賞受賞への驚きの言葉をいただきました。


入選者の方々全員にも賞状が授与されました。



大黒屋代表取締役室井俊二よりは才能を認められたアーティストたちへの期待を込めた激励と、今後のアーティストの支援方針を含めた祝辞。



審査員のみなさまからはアーティストとして今後の海外も含めたアートシーンにおける絵画・彫刻の力や「ポストメディウム」の時代における各々の作品につかわれる素材へのこだわりをもつことなど新進作家への将来の期待を込めたお言葉をいただきました。

小山登美夫ギャラリー代表 小山登美夫さん
横浜市民ギャラリーあざみ野首席学芸員 天野太郎さん


授賞式の後は審査員の方々、また入選者や歴代大賞受賞者のみなさまとの間で作品の資料をかわしながら熱心な議論が取り交わされました。



第13回大賞受賞者の矢野洋輔さんの個展は2019年10月を予定しております。
どうぞご期待ください。

公式Facebookでは入選者みなさま1人1人の写真もアップしております。
大黒屋公式Facebook

2018年3月1日木曜日

第13回大黒屋現代アート公募展

本日より、大黒屋サロンにて第13回大黒屋現代アート公募展が始まりました。



本年も400点を超える多数の応募の中から、審査員3名により大賞1名と入選14名が選出されています。

大賞 矢野洋輔「花の椅子」

本年は大賞受賞の矢野洋輔さんによる木彫の作品、油彩やアクリル、また鍛金や鋳金、漆、陶など従来の美術と工芸のジャンルを横断するような作品も入選いたしました。



また、本年の作品は細かい木目や釉薬の表情、細かく伸ばされた金属や錆びた鉄を用いたもの、発泡スチロールを薬品で変化させたものなど素材のありようを見ていただく作品が多く、ぜひ会場にでじっくりご覧いただきたい展示になりました。







展示は3月30日まで。
若手作家の作品を是非見にいらしてください。
各作家の作品の写真は大黒屋公式Facebookにても掲載しています。
大黒屋公式Facebook

2018年2月26日月曜日

第179回 音を楽しむ会


2月の音を楽しむ会はチェロ 黒川正三さんとピアノ 黒川文子さんによる演奏会が行われました。長年デュオで培ったお二人の息の合った演奏を披露していただきました。

黒川さんは「毎回大黒屋での演奏を楽しみにしています。温泉、食事、野鳥などなど。」と話してくださいました。大黒屋のお庭に集まる野鳥を見てご自身のお庭にも野鳥を集めたいと思い立ち毎朝野鳥に餌やりをした結果、今ではたくさんの野鳥が集まってくるそうです。


1曲目、メンデルスゾーンの協奏的変奏曲 17。メンデルスゾーンがチェロ弾きの弟のために書いた宗教的なテーマを含んだ精神性の深い曲です。チェロとピアノが対話するような掛け合いが続きます。


2曲目、シューマンのアダージョとアレグロ作品 70。前半はゆっくりと曲が進行しますが後半は疾走感と哀感のある激しい曲です。前後半のギャップも相まって魅力的なメロディーが会場に響きます。


3曲目、アヴェ・マリアはバッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」の「前奏曲 第1番 ハ長調」を伴奏にシャルル・グノーがラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いて完成させた声楽曲です。チェロとピアノが歌うように美しい旋律を奏でます。


4曲目サンサーンスの白鳥は「動物の謝肉祭」のうちの1曲。パロディーな曲が多い動物の謝肉祭ですがこの曲は静かで綺麗な音色です。

5曲目ラフマニノフのヴォカリーズは歌い手のための曲。速いテンポで曲が進行していきます。

6曲目、ブルッフのコルニドライ。精神性の高いユダヤ教の典礼歌で、序盤が暗く重い音で始まり終盤は明るく晴れやかな音に展開していきます。


アンコールはアメージンググレイス。おなじみのフレーズですが、黒川さんのチェロとピアノの演奏で聴くと新鮮な印象で心に響き渡るようでした。

今回の演奏会で唯一無二のデュオの魅力を存分に体感させていただきました。野鳥もお二人の音楽を聴きにお庭に集まっているのかもしれませんね。





次回の音を楽しむ会は3月26日(月)鼓の藤舎呂英さんです。
どうぞお楽しみに!

2018年2月19日月曜日

野鳥に会える森の宿

大黒屋は「野鳥の訪れる宿」、であることをご存知ですか?
年間を通じてさまざまな鳥が訪れますが、冬はもっとも野鳥が集まる季節です。



冬の間、大黒屋の裏手にある野鳥の森にて、毎朝7:15ごろから野鳥の集まる様子を
ご覧いただく「野鳥に会う会」を行なっています。



代表の室井俊二が歌を歌って鳥を呼び寄せながら野鳥の森をご案内しております。
野鳥の森によく現れる鳥は山雀(ヤマガラ)、小雀(コガラ)、四十雀(シジュウカラ)など。鶺鴒(セキレイ)や河原鶸(カワラヒワ)が見られることもあります。



山雀は年中を通して大黒屋全域によく現れる鳥で、庭先に現れては巣箱に巣材を持っていく姿を見られます。


小さな体と茶色いお腹、黒い帽子をかぶったような頭が目印です。



四十雀は森の付近でよく見られる鳥で、すこし緑がかったような羽の色で雪によく映えます。


他の鳥との見分け方は「ネクタイをしている」こと。
首もとからお腹にかけての黒い線が特徴です。



自然豊かな大黒屋付近には滅多に見られなくなった貴重な鳥「山鳥」が現れることもあります。上の写真は大黒屋前の那珂川への斜面に朝ついていた山鳥の足跡。


雉に似ていますが「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」の歌で知られる長い尾っぽが特徴です。

大黒屋の特徴は、遠くに出かけなくとも客室付近やお庭、少し歩けばおもいがけず野鳥と出会えること。ぜひこの冬、野鳥を探して見てください。