2017年12月7日木曜日

森の中からの月の出 星空の観望会いろいろ

空気が澄み、宙が美しく見える晩秋のころから不定期開催しております星空の観望会。
先日のテーマは「森から現れる月の出を楽しむ」でした。板室は谷あいあるため、日の出ならぬ山の端から現れる「月の出」を楽しむことができます。



やや雲がある空ですが、昨日の月はスーパームーン(公転軌道の関係で大きく見える月)でした。写真では昼間のように白んでいますが、月が山の向こうから照らして明るくしているためです。



山の正面に集まり、カメラを構えたり見上げたり、出てくるのを待ちます。


木立の間より、丸い月が現れました。太陽と違って光が強すぎないので木と木の間から出てくる様子がくっきりと見え、幻想的です。



庭から見るとこのように振り仰ぐ形。月の逆光に照らされて山が影絵のように黒いシルエットになっているのも美しいですね。



瞬く間に月はのぼっていって月光で影ができるくらいの明るさになります。月の光で読書もできそうな明るさ。寒さも忘れて眺めたり写真を撮ったり…。



今年大黒屋にお目見えしました天体望遠鏡では月のクレーターまで見ることができます。星空の観望会は星や流星群はもちろん、さまざまな月の風情を楽しむ会も催しております。

今週末の9日土曜日はふたご座流星群が美しく見られる日、ぜひみなさま星空の観望会にご参加ください。
雲のない満天の空となることを祈りつつ…

2017年12月2日土曜日

12月 酒器展

本日から大黒屋サロンにて酒器展が始まりました。


酒器とはもちろんお酒にまつわる器のこと。ぐいのみ、徳利、片口、麦酒杯、焼酎カップ、おつまみをのせる小皿なども展示しています。


酒器は日々の食事のお供に、また夜のひそやかな楽しみに。そしてクリスマスの乾杯やお正月、節句など祝いの席に使われる特別な器でもあります。お気に入りの一客が見つかれば幸いです。


今回出品していただいた作家14名の作品を少しご紹介致します。

安齊賢太 福島
福島県郡山市で作陶する安齊賢太さん。独自の技法で生み出した黒い土と漆を混ぜ合わせたものを塗って磨く行為を繰り返し行ない、ついつい触りたくなる独特な肌合いと洗練されたフォルムが特徴的です。今回は平盃を新しく作って頂きました。


黒川大介 東京
今回初めてご紹介する黒川大介さん。代表作である「宙」のシリーズ。まるで満天の星空、宇宙を想像させるような作品は、お酒をいれることで景色により深みがでます。国宝である曜変天目茶碗をも思い起こさせる作品です。


加藤委 多治見
青白磁で有名な加藤委さんには、轆轤で制作した丸っこい持ち心地の良い片口と多くのぐい呑を出品していただいております。釉薬の垂れが素晴らしい表情を生み出し、加藤委さんならではのシャープなキレ味は日々の晩酌のお供にも最高です。


小山厚子 備前
備前の女流作家、小山厚子さんの面白さはなんといっても、彼女にしかできない不思議な造形力にあります。普通では考えられないような形や大きさがあり、微笑ましくもあり渋い佇まいは唯一無二の存在感があります。今回、備前以外にも粉引、銀彩、紅志野などの作品も出品していただいております。


小山末廣 備前
先に紹介した小山厚子さんの父である小山末廣さん。厚子さんとのご縁から今回初めて酒器展にご参加頂きました。末廣さんは、備前の名工として有名な故 金重素山氏を師にもち、備前の歴史伝統を正に引き継ぐ作家です。自身で探し求めた良質の備前の土、登り窯で制作する作品は、ずっしりとした風格と凛とした品格が絶妙のバランスがあります。備前の伊部緋襷、窯変徳利などは酒器好きには外せない一品です。

小森邦衛 輪島
髹漆の人間国宝である小森邦衛さん。古くから日本でのお祝いの席で外せなかった漆器の盃、小森さんの卓越した技術で作られる漆の酒器は、そんなハレの席で活躍するものばかりです。特別な一日のために特別な酒器を是非。

瀬沼健太郎 秋田
昨年度も出品していただいた瀬沼健太郎さんは自ら草木を選び、いけるという行為も含めての花のための花器や、古いもののかたちをうつして作られる印象的なガラスの作品で知られています。今回は青砡硝子盃、窯変銀硝子盃という質感、色が特徴的な酒杯を中心に出品していただいています。

新里明士 土岐
白磁の薄手の生地にたくさんのを穴をあけ、その上から透明の釉薬をかけることで光の文様を浮かび上がらせる「蛍手」という技法の作品で知られる新里明士さん。その光を包み込む作品は窓際に置いて置くだけで美しい存在感があります。今回は、様々な形、穴の模様の入った酒器を出品していただきました。


西中千人 千葉
西中千人さんは日本の伝統的な修復技術である、異なる陶磁器の破片でうつわをつなぐ「呼継」の技法をガラスに用いて制作しています。異なるガラス片を繋ぎ合わせることで生まれる美しさは日本人の美意識感覚を再認識させらます。今年は日本橋高島屋で大型のガラスの庭のインスタレーションも発表され益々ご活躍されています。今回は呼継のぐい呑をメインに出品しております。


松田百合子 山梨
伝統の五彩で個性的な絵付けを行い、一目で松田百合子さんの作品とわかる造形は大黒屋でも様々な場所でも使われています。松田さんの華やかな器は、その場の雰囲気も変えてくれるぐらいの存在感があります。今回は果実のような形をした注器も出品しています。

宮澤章 益子

宮澤章さんは益子に窯をかまえ、積化象嵌という独自の技法で長い年月を感じさせる肌合いの作品を制作しています。今回は積化象嵌の徳利、ぐいのみも多く出品しています。

宮澤有斗 益子
今年8月に大黒屋での初個展を開催した、宮澤有斗さん。9月の個展では手捻りの作品を多く展示されていましたが、今回の酒器展では轆轤を使った作品をメインに、銀彩に鉄分の多い釉薬をかけた作品と、灰釉でつくった青磁のような青の器を出品しています。


山口真人 瀬戸

今回初めてのご紹介となる山口真人さんはやきものの町、瀬戸の窯元 西山窯の6代目。
織部・志野・黄瀬戸など伝統をふまえながら、現代的な斬新さを持つ作品を制作しています。ぐい呑、片口など多くの作品を出品していただいております。

吉村昌也 笠間

「吉村粉引」と呼ばれるほどの独自の世界を生み出し続ける吉村昌也さん。窯を修復後、数年が経ちイメージする色が落ち着いて出せるようになったとと言います。今回は人気の麦酒杯を出品、内側にはあえて釉薬をかけないことでビールの泡が綺麗にたち美味しくビールが飲める一客となっています。粉引ならではの使い込むことで変わっていく表情も楽しみの1つです。来年5月には個展を予定しています。

それぞれに個性豊かな作品の数々、手にとって御覧いただきたいものばかりですので、お泊りでなくとも是非ご高覧ください。

展示は2018年1月4日までご覧になれます。12月11日 - 19日は大黒屋はメンテナンスのため休館となりますのでご注意ください。

ご希望の作家の作品に関しての問い合わせがございましたら、メールまたはお電話でお願い致します。


2017年11月29日水曜日

第176回 音を楽しむ会


11月の音を楽しむ会はソプラノ 西田真以さんとピアノ 中ノ森めぐみさんによる演奏会が行われました。お2人はミラノヴェルディ音楽院出身で イタリアで培ったオペラの数々を披露されました。

1曲目ベッリーニ作曲 ”優しい妖精、マリンコニーアよ” の演奏が終わるとたちまち会場から「bravo」の拍手大喝采が起こりました。臨場感溢れる演奏で一気にお客様をオペラの世界へ魅き込みました。


同じくベッリーニの作品から2曲 シェイクスピア以前に言い伝えられたロミオとジュリエットの物語 オペラ「カプレーティとモンテッキ」より ”ああ、幾たびか” 、古代ケルトの自然を神と信仰していた祈りの歌 オペラ「ノルマ」より ”清らかな女神よ”を披露。

西田さんの情緒ある美麗な仕草と見事に流麗な歌声が奏でる迫真のオペラ歌曲はまさに恍惚の境地に至る素晴らしいもので会場のお客様を魅了し続けました。

叙情的な1曲プッチーニ作曲オペラ「ジャンニ・スキッキ」より ”私のお父さん”

 大黒屋との「お宿つながり」ということで選曲されたドニゼッティ作曲オペラ「リタ」より”このお洒落で清潔な、愛らしい宿よ” はコメディー調な明るい曲で会場も華やかな雰囲気に。

中ノ森さんはピアノ曲 レスピーギの ”甘美なワルツ” 、フィギュアスケートでも聴くことのあるショパンの ”ノクターン” も披露。 ピアノの麗らかな旋律と会場の静謐との一体感あるソロ演奏でした。


フィナーレの2曲 ヴェルディ作曲 オペラ「椿姫」より ”さようなら、過ぎ去った日々よ”、プッチーニ作曲 オペラ「蝶々夫人」より ”ある晴れた日に”を披露。心情溢れる演奏で会場は満足と感動の拍手に包まれアンコールの手拍子が。

アンコール曲は日本歌曲 ”初恋”。日本の風光明媚な心地よさのある演奏で最後までお客様を盛り上げ音楽の魅力溢れる素晴らしい演奏会となりました。






次回の音を楽しむ会は12月26日(火)オペラ 中橋健太郎左衛門さんです。
どうぞお楽しみに!

2017年11月18日土曜日

菅木志雄 倉庫美術館10年のあゆみ

ただいま大黒屋サロンでは菅木志雄の新作展を行っています。
展示をご覧になって作品にご興味を持たれた方、ぜひ倉庫美術館もご覧ください。



倉庫美術館は2008年に現在の南の館近くの敷地に菅木志雄の作品を常時展示するスペースとして開館いたしました。





現在の展示では右側のギャラリーを大型のインスタレーション「分体界束」が横断するほか、常時300点ほどの作品を展示しています。
倉庫美術館は国内外で評価の高まる菅木志雄の作品を一堂に介して常時ご覧いただくための場所として開館いたしました。まもなく10周年を迎えますが、これまでは国内国外問わず多くの方々にご来館いただいております。

2008年開館時の倉庫美術館展示の様子


大黒屋では1991年の天の点景の制作からはじまり、経営理念と菅木志雄の思想哲学を共にしながら歩んできています。
倉庫美術館の開館前後には菅木志雄の新作展を12年連続で行ってきました。それら新しい作品を迎えるなど、適宜展示替えを行っています。ご来館いただくごとに違う作品が見つかるかもしれません。

展示替えの様子
2009年の展示
倉庫美術館のご鑑賞は予約制です。毎朝10時から5つの庭のインスタレーションを含めたツアー形式でガイドがご案内しております。ご宿泊以外の方もツアーにご参加いただけますので、事前にお電話でご予約ください。

倉庫美術館鑑賞ツアーの様子
雪道、荒天などの日はツアーが中止になることもあります。
芸術の秋、ぜひ倉庫美術館にもお運びください。

2017年11月7日火曜日

2017年の紅葉のみごろを振り返る

ただいま、板室は周りの山々の色とりどりの錦に囲まれ紅葉の盛りを迎えています。
毎年少しずつ時期が違う紅葉ですが、那須全体では意外と長く楽しめるもの。
今年の紅葉を写真で振り返ります。

10月の初旬、板室では早めに色の変わる木々が染まり始め、秋の気配がちらほらと。



大黒屋周辺で最も気の早い漆の木は緑の背景に鮮やかな赤を見せてくれます。



このころの見頃は茶臼岳です。少し足を伸ばして那須湯本、那須ロープウェイまで
お出かけになると色を変えていく山々をご覧になれます。

10月中旬を過ぎたころ、遠くに見える山々が赤・黄・緑の三色で賑やかになってきました。本格的に秋を感じる頃です。





大黒橋を渡るとすぐに木々が染まり始めているのが体感できるようになります。
落ちた葉を掃くリズミカルな音が聞こえ始めるころです。



10月上旬〜中旬はお車で30分ほどのところにある沼っ原湿原が見頃です。
1時間ほどの木道を散策にお出かけになるのもよろしい時期でしょう。

10月末、紅葉が一斉に赤と黄に染まって客室の目の前に鮮やかな色彩が。
紅葉の見頃の盛りを迎えます。



山の稜線に沿った黄色から赤につづくグラデーションが美しいですね。



散策は朝もおすすめです。川沿いの山に朝日が当たって息を呑む美しさですよ。

11月初旬、紅葉盛りの最後の時期。遠くの山は葉を落としますが、近くの山やお庭は
どの角度から眺めても秋の盛りを楽しめます。




初霜が降りるころ、露に濡れた地面に伸びる影との強いコントラストが美しい早朝の様子です。



今年の紅葉の様子、いかがでしたでしょうか。
見逃した方は、ぜひ来年。
2018年も美しい紅葉が見れますように。