2017年6月26日月曜日

第171回 音を楽しむ会

 
6月の音を楽しむ会は、
北村晶子さん、福田祥子さん、横井香奈さんによるユニット「ル レザン」でした。

ドラマティックソプラノの福田祥子さん。
豊かでパワフルな声種のドラマティック、劇的な感情を表現した大迫力の歌声でした。


 ソプラノリリコの横井香奈さん。
柔らかくしなやかな声種のリリコ、明るく気品ある美しい歌声でした。


ピアノの北村晶子さん。
お二人の歌い手と共に歌うかのように、
寄り添い、響き合う叙情的な音色を奏でていました。


お三方の共通項、「ピアノ」
福田さんは以前ピアニストで現在の声楽に転向し、
横井さんは声楽とピアノを専攻していたそうです。


アンコールの後さらに一曲、三人ピアノ演奏「ラデツキー行進曲」
お客様全員で手拍子をして会場が一体となる、三位一体の素晴らしい演奏でした。





次回の音を楽しむ会は7月26日(水)、ヴァイオリンの青木高志さんです。お楽しみに!

2017年6月19日月曜日

宮澤章 アートを語る会

 現在サロン展示中の宮澤章さんによるアートを語る会が行われました。



  宮澤さんは秋田出身。大学は教育学部で、油絵を描いていましたが陶芸に方向転換しました。油絵は画面に世界観を作るものの、裏返すとただのキャンバス地があるだけで、自身で実感のある制作にできなかったとのこと。教員になるという道もありましたが、父親の反対を押し切り、陶芸家を志したといいます。


 今回の積化象嵌の器の作り方を実際に粘土を使って見せてくださいました。型を当てて底を作り、その上に花器の穴となる部分、中の柱を作ります。それから周囲の壁になる部分をアーチ状にした粘土で少しずつ囲っていき、形が出来ていきます。
 粘土の硬さや渇き具合を見てじっくりと積み上げ、丹念に作られています。


 やきものは、手をかけて育てた子どものようであり、作っていたときの自分の存在の証でもあります。


 インターネットやスマートフォンが普及してきた現代、人はリアル(現実)の世界にいるのか、バーチャル(虚)にいるのかということを疑問に思うそうです。
 電車の中でスマホをずっといじっている高校生。SNSの反応を気にする人。この人達は今どこの世界にいるのか。
 その時 その場所でしか感じられないことがあり、今その瞬間を生きているということ。
 人としてはどちらが幸せなのか。


 実感をもって制作した ひとつひとつに、宮澤さんが生き生きと取り組んできた姿が垣間見えます。
 宮澤さんの陶展は6月29日(木)までです。ぜひお運びくださいませ。

2017年6月1日木曜日

6月 宮澤章陶展

本日より大黒屋サロンにて益子の陶芸家宮澤章さんによる展示が始まりました。


宮澤さんの大黒屋での展示は今回で6回目。宮澤さんの器は夕食のお膳の上でも
みなさまに多く手にしていただいていますが、今回は宮澤さん独自の技法である
「積化象嵌」(せっかぞうがん)の技法によるオブジェの作品を主にした展示です。



ろくろを使わず、粘土を紐状に伸ばして時間をかけて積み上げていく「手びねり」の
手法を用い、流体である粘土の塊を時間をかけながら徐々に「積」む。積み上がった形を
凹凸をなくすように足し、削りながら窪みのない形に「化」けさせる。


さらに表面を削り、削った傷に土を埋め込む「象嵌」を行うことで滑らかな
肌合いながら長い時間を経てきたような独特の肌合いを感じさせる焼き物に
仕上がります。その独自の過程を「積化象嵌」と表現しています。


今回のオブジェは単純な筒の構造ではなく、空いている穴の中にも焼き物の
肌が続いていく二重の構造になっている点で、見た目よりも軽く複雑な構造を
持っています。その制作過程はSFの構造物を作っているようだとも言います。



生活の器よりもより自由に楽しみながら制作することができるというオブジェ作品の数々。その肌合いや目の前にした時の構造の不思議さも合わせてぜひご覧ください。

アーティストトークは18日(日)20:00〜を予定しております。
ぜひお運びください。


2017年5月26日金曜日

第170回 音を楽しむ会

 5月の音を楽しむ会は今回で4回目の出演となる伊東晶子さんによるピアノコンサートでした。構成・演出は森田克子さんです。
 音を楽しむ会は今回で170回目、伊東さんが出演する月はよく節目のときに当たります。


 今回のプログラムは大好きなフォーレをはじめとしたフランス、ロシア、ポーランドのクラシックの名曲の数々です。


 緊張感の中、一曲ずつ丁寧に想いが込められた演奏が繰り広げられます。


 ”ピアノの詩人”ともいわれるショパンのノクターンは2番が有名ですが、今回はあまり表に出ない第一番を演奏されました。複雑でかなしげな美しさは、あまり知られていないこの曲の魅力を皆さんに伝えてくれました。


 音を楽しむ会のたびに新たな発展を見せてくれる伊東さん。誠実に向き合う姿が印象的で、素晴らしい演奏でした。




 次回の音を楽しむ会は6月26日(月)、ピアノの北村晶子さんです。お楽しみに!

2017年5月19日金曜日

鈴木孝幸 アートを語る会

 現在サロン展示中の鈴木孝幸さんによるアートを語る会が行われました。大黒屋での展示は2回目となります。


 7年前の展示では「現場」「触」「境界」の3点のキーワードを掲げていましたが、その間様々な制作を経て、ものを俯瞰(ふかん)した見方が加わりました。今回はそのうち「現場」という言葉が「場所」に変わり、より広い意味合いへと変化しました。
 

 今回は「川をさかのぼるいし」と称し、大黒屋の目の前を流れる那珂川を大洗の海から上流に向かい逆流してきたことで作品が成り立っています。拾ってきた石や金属、プラスチックの欠片など水が運んできたものを組み合わせており、自身で拾う、運ぶ、移動する行為が重要なポイントになっています。



 今回の展示に至るまでの、中之条ビエンナーレやお住まいの愛知県新城市などでの活動についてもお話してくださいました。作品の素材も石や木だけでなく、鈴木さんの行為や流れる水に結びつけることのできる人工物ートタン板やテグスなど、範囲が広がってきたといいます。


 サロンの中だけでなくこの日、更に屋外に追加された作品があります。那珂川下流で拾った石を大黒屋の前を流れる上流に戻すというまったく新しい形のものです。
鈴木孝幸展は5月30日(火)までです。鈴木さんが運んだ石は8個ありますので、是非探してみてください。

2017年5月1日月曜日

5月 鈴木孝幸展「川をさかのぼるいし place/leg」

本日から大黒屋サロンにて鈴木孝幸さんの個展「川をさかのぼるいし place/leg」が
始まりました。


鈴木孝幸さんは第4回大黒屋現代アート公募展にて大賞を受賞後、
芸術祭や横浜市民ギャラリーの展示に参加するなど精力的に活動されています。
大黒屋では西の館の作品でおなじみですが、サロンでの展示は7年ぶりとなりました。


目の前の「もの」に対して日常では捉えることのない様々な有り様を
明らかにするために自らの身体で触れて制作することをつづけてきた鈴木さん。
今回は下流へと流れる川を意思をもって遡る行為を通し、眼前にある川だけでなく
流れとともに関連してくる海、山、暮らしを提示することを試みたそうです。


展示された作品は大黒屋の側を流れる那珂川を河口の茨城県大洗の河口から
遡るという行為を2回行い、その中で出会った石、ガラス、プラスチックなどの
ものによって構成されています。



石を大地と捉え、それを「盛る」ことを「吊る」ことと捉えた「heaping earth」の
シリーズをはじめ、河原に敷いたトタン板の上を歩いてうつした「just hammering」、
上流から下流という異なる時間の石を繋いで一つにした「just bundling」など
さまざまな形で那珂川をつくる時間、場所、ものが提示される作品が並びました



会場には遡る過程を写した写真もあり、鈴木さんの作品制作過程に近づくことが
できるでしょう。

アーティストトークは5月18日(木)20:00から。
是非お運びください。


2017年4月27日木曜日

第169回 音を楽しむ会

 4月の音を楽しむ会はテノール歌手の猪村浩之さん、ピアノの大坪由里さんでした。
お天気の心配もありましたが、サロンから見える桜は満開。桜を愛でながら聴くコンサートは格別でした。


 庭をバックに、ピアノソロから始まりました。小鳥が集まってくる可愛らしい様子、おしゃべり、ぱっと飛び立ち訪れる静寂…大黒屋の庭を思わせる曲です。


 春は出会いと別れの季節。オペラや映画の印象的な場面も思い起こされます。


 お客様と一緒に「春の小川」と「花」を歌いました。これらの日本の童謡、唱歌は最近では歌われる機会も減ってしまいましたが、春ならではの美しい風景を感じさせる素敵な歌です。


 最後は即興で明るいカンツォーネ・コレクションを歌っていただき、会場は大いに盛り上がりました。



次回の音を楽しむ会は5月26日(金)、ピアノの伊東晶子さんです。
お楽しみに!